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バイト終わり ロッカーで着替えてジャンバーの中からさっきの紙切れを出す。 きっと遊びだ。 慎兄の時、母親が言ってたな。年下のそれもまだ高校生、相手の将来を考えたら身を引くのが普通。 慎兄は今、どうしてるのかな… 幸せなんだろうか 体ばっかり大きくて、中身は純な高校生。 そんな風に見えて ちょっかい出してみたいとあの年頃の女は思うのか お遊びなら気が楽かも 携帯を取り出して、ポチポチとメルアドを入力してみるが途中で面倒くさくなって 店にいるなら直接行けばいいだけだ。 「今日、何時に終わる?」 平日の8時も過ぎれば、店は閑散としていて文具売り場もそれは同じ カウンターで伝票整理をしているらしいお姉さんに声をかける。 学生服にカバンを肩に担いだ大悟の姿を見て 「今、仕事中なんだけど…?」 ちょっと、嫌みな視線と、冷たい口調でさっきの敵を討つ 「そうなんだ。で、何時に終わんの?」 大悟は全く意に介さず、カバンをカウンターに置くと肘をついて真っ正面からお姉さんの顔を見る 「…あと30分。」 「で、どこで待ってればいいかな?」 大悟が笑って聞くと、お姉さんは顔を赤らめた。 ・
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