痛い恋

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バイト休みの放課後 大悟はクラスメイトの買い物につき合って、男共数人で街へ出た。 何でももうすぐ、つき合って半年記念日だとか 毎月記念日には何かしらやってるが、半年目の区切りのいいとこで、プレゼントをしたいと言う。 「毎月…?」 大悟は嫌な顔をする。 「たいていそんなもんよ?ま、祝うったって飯食ったり、二人でマッタリしたりだけど。」 「なんか面倒くせぇな…」 「そりゃ、正直そう思う事もあるけど、好きな彼女のためならな。」 「ふぅん…」 ジュエリーショップで、色々見て周りながら やっぱり、女ってこういう物が嬉しいのか。 そういえば、誕生日が近い、何か買った方が良いだろうか 大人の女に似合うアクセサリーなら、値が張るよな。 大悟はそんな事を考えた。 家に帰ると一番上の兄、啓悟が一足先に会社から帰宅していた。 今年、大学を卒業して、地元の企業に就職したのだ。 母は久しぶりに増えた家族に、喜んで世話をしている。 「弟よ、お前もか。」 珍しく弟が自分の部屋を訪れたと思ったらそういう事か 冗談めかしたセリフを言いながらも、啓悟は渋い表情。 軽い気持ちで、年上の彼女のプレゼントの相談にきたつもりだったが、大悟は決まり悪そうに兄のベッドに腰掛ける。 啓悟はパソコンに向かって、手慣れた手付きで打ち込みを続ける。 「学生の本分は?」 振り向きもせず啓悟が聞く。 「…勉強。」 「そういう事。」 「それだけ…?」 不満げに大悟が言うと、啓悟は手を止め静かに振り向いた。 「なぁ大悟、終わりが見え見えの恋愛して楽しいか?」 「え…?」 「違うか?慎悟みたいになれないだろ?お前は」 ・
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