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慎兄みたいに…?
「なんか、大袈裟な事言うね…」
大悟は困ったように小声で答える。
「22、3の女の子がつき合う男ってよ、結婚出来そうな男か、それとも…結婚なんか考えない気楽に遊べる男か…」
そこまで言って意味ありげに大悟の顔を見る。
「後者の場合、女は至って物分かりの良い態度で男に接する。何も望んでないからだ。その時だけ楽しかったり気持ち良ければいいからな。」
思いっきり顔をしかめた大悟に啓悟は思わず苦笑いした。
「根っこから学生の恋愛とは違うわけよ。」
「もう、いい。」
大悟は怒りを露わにして立ち上がりドアに向かう。
「大悟…間違っても、背伸びして大枚叩いたプレゼントなんか買うなよ?」
「知ったかぶり!」
大悟がやっと口を開いて言えた事とはこれだけで
がり勉の優等生が何を分かると言うんだ。
胸中苦々しく思う。
だが、大悟は小さな頃から優しくて真っ直ぐな兄には唯一、刃向かえない。
「経験者は語る、…だ。」
ドアを閉める間際
再びパソコンに向かった啓悟が自虐的に笑いながらそう言った。
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