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その言葉は大悟にも聞こえていた
でも
でも…
好きでもなかったら、こんな高校生と付き合ったりしないだろ?
自分に言い聞かせるように
彼女の誕生日には、何をして過ごそうか
誕生日は土曜日
サービス業だから土日は予め休みを入れて置かなければ仕事だ。
「仕事、休みいれてなくて…土曜だからいつ帰れるかわからないわ。」
予定を聞いても、のらりくらり返事を先延ばしにする彼女。
嫌な想像が頭を過ぎる
啓悟の言葉が思い出される
当日
彼女には言えなかったけれど、大悟は休みを取っていて
コレが温度差ってヤツ…?
午前中、ぼんやり家で過ごした。
午後になって、やっぱり、と思い立つ。
「由良、今日買い物付き合って?」
今日、デート出来なくても、店にいるだろう彼女にプレゼントだけでも渡せれば
それでいいや
淡い恋
大悟が恋だと思った気持ちは
数時間後、無惨に踏みにじられた
何件か店を廻って
「高そうだな…」
ウィンドウに並べられた商品を、外から眺めて由良が呟く。
二人が最後に来たの店は、高校生には敷居が高いブランドショップ。
「ん…、見るだけ見てみる。」
大悟はそう言って近づいた。
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