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「あれ…」
ウィンドウの中にいるのは、仕事なはずの彼女。
「あ…」
隣の男は…会社の
確か、紳士服売り場の40代のマネージャー
楽しそうに、ショーケースを二人で眺めている。
そのうち、男がネックレスを彼女の首につけて
どう見ても恋人同士
なんで…?
やっぱり、俺は遊び…?
いや、遊びよりもまだ酷い。
二股か
「ふざけんな…」
大悟が低く呻いた。
「大悟…、帰ろ、帰るぞ」
大悟の腕を由良が慌てて引っ張った。
大悟が殴り込むと思ったからだ。
しかし大悟は由良のされるままにその場から立ち去る
とにかく、落ち着こう。
二人は近くのファミレスに入った。
飲みたくもないジュースを頼んで、ストローで氷を弄ぶ
由良は声をかけずに沈黙に付き合う。
あぁ、やっぱりか…、コイツはこう見えて純情だから…。
あの女…死ね
由良は心の中で親友を傷つけた彼女を呪う。
大悟はお前みたいな腐れ女には勿体ない位なんだ。
「格好悪…、俺。」
視線を伏せたまま、大悟が呟く。
「うん、格好悪いな。あんな女の為に暗い顔してるお前は、ヒジョーに格好悪い。…だから笑え。」
ムチャクチャな励ましをする親友にムッとするが
あんな女の為に…
その通りだ。
「だな…」
無理やり笑ってみせた。
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