春がくるまで

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「それっきり…?」 「それっきり。つーか、着拒したし良くわかんね」 ファーストフード店で受験勉強とは名ばかりの勉強会。 大悟の親友の由良は、ピンクのドーナツを一口かじる。 「由良、俺ら受験生だろ?愛だのなんだの今はイラナイ。」 大悟は優等生ぶった事を言う。 「だって、喧嘩の原因て、彼女が、からかわれたからだろ?おかしくね?」 由良は自分の事のように腹を立てる。 『谷川んちはみんなババァ好きなんだな?中古の年増女が好きなんだ?』 言い終わらないうちに殴ってた。 「彼女がそんな風に言われたら、黙ってないだろ。」 由良は大悟に同情する。 「あ~、てか、違うかも…」 「あ?」 腹を立てたのは慎兄が馬鹿にされたと思ったからだ。 「いや、ちょうど良かったんだ。マジもう遊んでらんないし。」 大悟は砂糖たっぷりのカフェオレを飲んだ。 「同じ高校行きたいなら、コイバナは高校生になってからだ、由良、お前ヤバいんだろ?」 「へーい、大悟先生、ここ教えて下さい」 確かにヤバい 由良は、それでもふざけて返事を返した。
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