不気味な空

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「携帯は圏外か、神父さん教会には電話はありますか?」 今村さんが神父様にそう言った。 「私の部屋にあります。どうぞこちらへ」 神父様はそう言うと今村さんと奥の部屋へと行った。 強盗は大人しくしているようだし、もう心配はないだろう。 「携帯が通じないぞ?おかしいな?ついさっきは電波があったのに」 高そうなスーツを着た男性がそう言って携帯の画面を睨んでいた。 「あら嫌だ、あなた私のも圏外よ」 そう言ったのは、さっき強盗と叫んだ女性だった。どうやら二人は夫婦のようだ。 私も気になり自分の携帯を見てみた。すると私のも圏外になっていた。 この教会は山の中にあるが、ギリギリで電波があるはずなのに圏外になっている。 「電話が通じないとは困ったな」 そうぼやきながら今村さんと神父様が帰ってきた。 「不気味じゃな…不気味な空じゃ」 いつのまにか私の隣に居た老人がそう言いながらステンドグラスごしに空を見ていた。 そう言われてみれば教会の中は昼間だというのにやけに暗い。
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