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教会の中の皆が田嶋さんの視線の先を見た。
そこには犬のような何かがいた。
目をこらしてよく見てみると、それは犬ではなかった。
子供が四つん這いになっていたのだ。しかも異様な事に体から首が3本生えて、頭が3つある。その顔のひとつは、私が見た顔だった。
まさに怪物である。3つの顔は髪の毛が抜けて性別がはっきりしない顔に、ひかくてきに綺麗な顔、そしてあの女の子の顔がある。
怪物はいつのまにか、外にいる彼のすぐ隣に居た。
「逃げろー!」
今村さんが大声で叫んだ。
外にいる彼はその声を聞いて、私達の方に振り返った。その時に怪物を見た。
「うわー!」
彼は悲鳴をあげて逃げようとした。
だが次の瞬間に怪物が彼に襲いかかった。
ひとつの顔は首に、もうひとつは腹に最後の顔はふとももに噛み付いたのである。
「ぐう」
彼のうめき声が聞こえた。
教会の中の皆はあまりに突然の出来事で呆然としていた。
今村さんが我にかえったのか、とっさに拳銃を構えた。だが、怪物と男性が被っていて、なかなか狙いがつけられないようだった。
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