二人の強盗

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「全員手を頭の後ろに組んでひざまずけ。早くしろよ」 私は強盗の言われるがままに行動した。 「おい、お前はこいつらを見張ってろ。俺は他に誰かいないか調べてくる」 強盗がそう言った時に私は初めて強盗が二人いるのだとわかった。私はずっと強盗に背中を向けていたので、わからなかったのである。 見張りを頼まれた強盗が喋りだした。 「皆さん、少しの辛抱です。抵抗をしなければ私達は危害を加えるつもりはありません。ですから大人しく言う事を聞いてください。お願いします」 なんとも物腰のやわらかい言いかただ。私達の見張りを頼まれた強盗は実は優しいのではないかと思ってしまいそうだが、私は見張りをしている強盗のほうが恐ろしいと思った。冷静沈着で周りをよく見ているのであろう。抵抗をすれば見張りを頼まれた彼は容赦なく人を撃ちそうだ。 私は教会の中に居た他の人達の様子をうかがった。皆震えている様子だった。 その中で一人だけ震えもせずに落ち着いている男性が目にとまった。
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