記憶

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お兄ちゃんお兄ちゃん 僕は彼が大好きだった 僕は彼女が大好きだった 僕等が走る姿をいつも 近くで優しく見守る笑顔 走るのが辛くなったのはいつからだろう あんなに好きだった駆けっこが いつの頃から億劫でたまらなくなった 同じペースを刻んだ兄 見守る彼女の優しい視線 それは段々 前を走る越えられない壁と もう僕には向けられない恋い焦がれる視線 に変わる 僕は彼が憎かった 僕は彼女が悔しかった だから僕はもう走らない そう決めたハズだったんだ
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