記憶

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上京してから早1年、 時折会えるお兄ちゃん ブラウン管を通して写る、その勇姿 不思議な懐かしさと 不思議な違和感を僕に届ける 僕の大学生活といえば 平淡でツマラナイものだった だから少しでも気を紛らわせようと また走る事にした 上京する時、駅のホームで彼が言ったあの言葉 「…何しに行く?」 僕は今でも、その答えを見つける事が出来ていない 僕から出た精一杯の一言と言えば 「もう…走れないから」 その言葉に縋る事も出来ずに あの幸せそうな2人を見ている事が出来ずに 僕は地元から逃げ出しただけだった そして今も僕は走っている
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