プロローグ

2/4
519人が本棚に入れています
本棚に追加
/284ページ
夢を見ていた。 深く暗い海の底の夢を。 魚たちが何匹も泳いでいた。 尖った口先にすぼまった尾をもつ白い魚たち。 細く長い胴をくねらせ、魚たちは優雅に泳ぎまわる。 自分は海の底にいるのだ、と美紗絵は思った。 海の底で美しく花びらをひろげるアネモネ。 わたしはアネモネになったのだと。
/284ページ

最初のコメントを投稿しよう!