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『ねぇ・・・86。外へ行こう。』
86というのは僕のことだ。
そしてこの子は70。
大人たちが「べんぎちじょう?」そう呼ぶらしく
僕らも互いにそう呼び合っている。
とは言っても70と話をすることは殆どない。
70は僕がこの施設に連れてこられる少し前に
此処に連れて来られたという。
それも何時のことだったかはっきりと覚えていない…
プログラム通りの寸分違わぬルーティンワークを毎日続けていると
時間の感覚は次第になくなっていく。
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