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奈緒がアクセル横のレバーを引くと、エンジンハッチが開きスーパーチャージャーが姿を現した。
「むっふっふ、このカリオストロ仕様のフィアットについて来れるかな😏」
慌てて優牙が屋根にぶら下げていた寝袋やバケツを車内にしまう。
どっきゅーーーーーん
奈緒がアクセルを床まで踏み込むと、黄色いフィアットが有り得ない加速でぶっ飛んで行く。
「げぇっ!?」
みるみる離されるパトライク。
「負けるか!!」
ハイアットがコンソールを叩き、パトライクを高速モードにセットする。すると、車高が下がりウイングの角度が水平に変型した。
ぎょぎょぎょぎょ…
3速でホイルスピンしながら加速してフィアットを追い始めた。
「優牙ちゃーん、後ろ来てるー?」
奈緒の問いに優牙が助手席から後ろを振り返ると…
「さぁ、いい加減に観念しなさい!!」
ピッタリと後ろにつけられていた。
「ゆーきちゃーん、出番よ😁」
「……」
優牙はやれやれという感じで頭を振ると、ダッシュボードからデザートイーグル50AEを取り出した。44口径WALAP(ウインチェスター対軽装甲弾)が装填されている。さっとサンルーフから上半身を出すと、狙いを付け無言でぶっ放した。
バガウッ バガウッ ドキキンッ!!
初弾はフロントタイヤ横のカウルに当たり吹き飛ばした。二発目はタイヤに当たったが、ダメージになっていないようだ。
「ふふん、この防弾タイヤは対戦車ライフルでも持ってこない限り壊せないわよ!!」
それを聞いた優牙は、一瞬キョトンとすると車内に潜り、ズルリと長い棒の様な物を取り出しこちらに向けた。
「…対戦車ライフル」
優牙が取り出したのは、ソ連軍の対戦車ライフルPTRS-1941。某大泥棒の相棒が、お姫様救出時に使っていたやつだ。
バスンッ!!
ライフルが火を吹いた。
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