第一訓(道場に入るのは男・女関係無し、必要なのは己の侍魂のみ)

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雲一つない晴れた日……父親であろう男が少女を連れてある道場にむかっていた。 「神無、無理しなくてもいいんだぞ?」娘であろう少女に優しく問いかける。 「だだっ大丈夫だよ父上っアタシが道場に入りたいって言ったんだもんっ」そう言う神無は、少し震えて父親の着物の裾を掴んでいた。 「ははっ神無、少し震えているではないかっ」 「違うよ父上っこっこれは武者震いだよっ」 そう少女は言うので父親は少し困ったように笑った。 「……さぁ、ここが道場だぞ」神無は父親の背中ごしに中を見ると小さい子供と男の人が言い争いをしている声と破損する音とともに笑顔なゴリラのような人が現れた。神無はびっくりして父親の背中に隠れた。 「いやぁ、これはこれは師匠ではないですかっ」 「いやぁ、もう師匠ではないからそれで呼ぶのはよしてくれっ」 「いやいや💦彪澄(あやすみ)さんほど師匠と誇れる人はいませんよっ………さっ長話もなんですしどうぞ中へ」……どうやら父上とこの人は師弟関係らしい…そう神無は思いながら父親のあとを追って中へと入った。 道場はそれほど広くなかったがなんだか落ち着いた雰囲気で神無と父親の気分が和んだ。すると、そんな和んだ気分をぶち壊しにするかのように争っている少年と若者がいた。しまいにはさっきのゴリラのような人まで巻き込んで争っていた。父親は苦笑いをしながら争いを止めにはいった。 神無はふと争っている人達のそばで微笑んでいる美しい女の人が目にはいった。神無はその女の人に屈託のない笑顔で話しかけた。 「止めないの?」 「クスッいつものことよ」女の人は神無に微笑んだ。 「ふぇ……綺麗だね」「そんなことないわっ………それよりあなたは…「あそこにいる人の娘だよ」」そう神無は言うと静まったらしい争いの中にいる父親を指差した。それに気づいたのかゴリラのような人が父親に話し掛けていた。 「……もしかして、彪澄さんの娘ですかっ」 「ああ、そうだ。たぶんこの少年と同じ位の歳だぞ」そう父親は言うと少年の頭を撫でた。 「さぁ、神無こっちにおいで」神無は父親に言われたとおりにした。 ……神無は無事道場に入ることができるのか……それは次の章で………
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