2、それが訪れた日

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それから数分して、レーヴァの部屋に来た使用人が伝えた言葉はこうだった。 ナワルピリの目付け役として闇影を任命するので、レーヴァは騎士達の間で溜まってしまっている仕事をなんとかして片付けてほしいとのこと。 作業だけはレーヴァの自室で終わるものだけを持ってこさせる、とのことだ。 その報告を聞き、仕事用デスクの椅子に座ったレーヴァは深く溜め息をついた。 「油断は禁物だな」 「大丈夫ですよ、私もいるんですから……ね?」 レーヴァの部屋にはベッドが二つ。勿論ダブルベッドなどではなく、別々に分かれて眠るシングルベッドだ。 それと大きな本棚が一つ、タンスが二つと空のクローゼットが一つ。 レーヴァが使用する小さめのシンプルな仕事用デスクと、ナワルピリが使用する多人数用の木製の机。 それだけあってもまだ一人分の生活スペースを入れられる場所があるのだから、この先は予想しなくても分かる。 闇影とも同じ部屋で生活しろと言われるに違いない。
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