3、近づく風

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「よし、なかなか筋がいいなナワルピリ。魔術師辞めて槍使いになったらどうだ」 「それほどでもないですよ、それに私はあまり打たれ強い方ではないので」 「そうか? 勿体ないな」 今日一日の仕事が終わり、暇になったレーヴァの監督の下、闇影とナワルピリによる訓練が行われていた。 闇影は腕を変化させ、ナワルピリはレーヴァから借りた絵筆を槍に変化させて戦っていたのだ。 槍とはいっても、刀や剣のように斬ることに重点を置いた槍である。 「訓練はこれで終了だな」 「ありがとうございました」 向かい合っていたナワルピリと闇影がお互いに礼をする。 こうやってナワルピリと闇影が訓練するようになって、もう三週間は経っている。 その間、レーヴァの持っていた絵筆はずっとナワルピリが借りたままだ。 代わりにレーヴァは、ここから出る時には神剣レーヴァテインを持ち歩くことにしている。
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