3、近づく風

3/16
前へ
/53ページ
次へ
レーヴァの目から見ても、ナワルピリは大分上達したと言える。 最初は間合いを間違い続けて、何度闇影に打ち倒されたか分からなかったのに。 それが、助言を受けてあっという間に上達してしまった。 相手の技を利用し、逆に受け流すさまはなんとも優雅だ。左のみ長い銀髪が、綺麗に流れて光を受けて光るさまはなんとも言い難い。 赤い眼が相手を睨みつけるさまは不気味でもあるし、恐ろしくもあるのだが。 「それでは私、ちょっと呼ばれているんで出かけてきますね」 「あぁ、いってらっしゃい」 ナワルピリが呼び出されるのは、神々が用事があるときのみ。それ以外は有り得ない。 絵筆を持ったまま、ドアに手をかけ扉を開けて、そのまま部屋から出るナワルピリ。 それを待っていましたと言わんばかりの素早さで、闇影がレーヴァの元へと近寄ってきた。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加