1、プロローグ

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レーヴァの中では、今まで受けた任務の中で一番マトモなものである。 今までは、住民の観察や街の特産品の味を調べて欲しいだの、 「貴方たちは本当に神ですか?」と聞きたくなるようなものばかりだったからだ。 しかし、守護とはいっても上層部から与えられる課題をナワルピリがしっかりこなすかどうかについて、ただ観察するだけのようなものだ。 だが、稀にこの隔離された場所にやってきて馬鹿をやる兵士がいるので気は抜けない。 一瞬の油断が戦場での生死を決めるように、甘い判断が一人の生命を奪う可能性もある。 一人の生命を任されているという点では、とても重要な任務であることに間違いはない。 しかし、ただナワルピリが黙々と課題をこなしていくのをただ見ているだけというのは あまりにも退屈なことであることに変わりはない。 ナワルピリが課題を早めに終わらせれば、レーヴァにとっては有り難いことだ。
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