1、プロローグ

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(しかし……これは、どうもな) ナワルピリはもう、二十歳になる。 いつまでもこんな曖昧なものではナワルピリが納得しないのではないかとレーヴァは考えているのだが。 だからといってそれに代わる案を出せるわけでもなく結局はいつも通りになるのだ。 どうせ代わる案を出したって、神々は動かない。自分が苦労するだけだ。それに、それがナワルピリのためになるかどうかも分からないのだ。 やはりいつも通りで良いだろうとレーヴァは無理やり納得して、ナワルピリに声をかけた。 「ナワルピリ、そろそろいつもの稽古を始めてもいいだろうか?」 「構いませんよ! 私もそれがやりたくて早めに課題を終わらせたんです!」 元気なのはいいことだ。だが今の発言に聞き捨てならない部分があったのをレーヴァは聞き逃さなかった。 稽古がやりたかったから早めに課題を終わらせた、ということは今までは手を抜いていたということか。
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