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「川島先生、お疲れ様です。」
川島にそう呼びかけたのは、年下の音楽教師小野洋子(オノ ヒロコ)だった。
「あぁお疲れ様です。先生今年初担任ですよね?頑張ってください。」
「あ、ありがとうございます!それで先生、須川君のことなんですけど、吹奏楽部に誘ったりはしてみたんですか?」
「吹奏楽部に?」
「義手をつけていても演奏活動を続ける人はたくさんいますし、今年こそ全国狙える今のメンバーに、彼のような経験豊富な人がいれば、ますます全国に近づけるんじゃないかと思って。」
吹奏楽部は、川島が顧問、小野が副顧問を務めている。
「…まぁ、本人がやる気があるならそうしたいところなんですけど、それは本人の意思だし、腕を失って間もない彼は、今が一番辛いと思いますから。」
川島が説明を続ける。
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