大舞踏会パート2

3/29
前へ
/50ページ
次へ
そんなことがあり、世話役の少女は走っている。     目指すは大臣のもと。     「王子がシンデレラ様の部屋に着くより先に、大臣に報告しないと!!」     と、そんな思いが叶ったのか、前方を歩いている大臣を見つけた。     「シュ、シュナイン大臣!!待ってください!!」     見つけた瞬間に、大声で呼び止め走っていく。     そのあまりに必死な声に、シュナイン大臣は何事かと立ち止まり振り返る。     「誰だ!?私を呼ぶの…は?」    と、振り返った先には、猛スピードでこちらへ走って来る少女の姿が。     少女の後ろからは、砂煙が上がっている。     「な、何事だ…?」     その必死な様子に、思わずちょっと後ずさる。     少女は、大臣の前まで来るとその場で手を膝に当て、肩で息をしながら言った。     「ぜぇ…はぁ…呼び…止めた…のは…ぜぇ…わ、私で…ございます…」     「だ、大丈夫か?」     最早、息も絶え絶えの少女を心配そうに見て、大臣は誰かと記憶を探る。     「…ああ、お前は確かシンデレラ様の世話役だったか。それで、そんなに急いでどうしたのだ?何があった?」     この少女がこんなに急いで走ってきたのだ。     絶対、何かあったに決まっている。     嫌な予感がしつつ、それでも一応尋ねてみた。     まぁ、すぐに聞いたことを後悔したが。    
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加