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少女は、何とか呼吸を落ち着かせると言った。
「シンデレラ様が、またお部屋にいらっしゃらないのです!!そして、置き手紙に一言『帰る』と」
それを聞いた途端、大臣は頭を抱えたくなった。
「ああ…なんという事だ。これではまた…」
「シーン!!シン、何処ですか!?」
大臣が何か言うより先に、向こうの方――シンデレラの部屋が騒がしくなった。
「「………はぁ」」
大臣と少女はお互い顔を見合わせてため息をつくと、シンデレラの部屋向けて一緒に走って行った。
目的はただ一つ。
暴走する王子を止めるためだ。
二人が部屋に駆け込むと、案の定、ルカたちが二人掛かりで王子を押さえ込んでいた。
「王子!危ないよ~!!」
「離せ!僕はシンを探しに行くんだ!!」
「だからといって、窓からはお止め下さーい!!」
王子は、シンデレラが使ったと思われるシーツを片手に、窓から降りようとしたらしい。
それを、たまたま通り掛かったルカたちが止めたのだ。
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