1.【ようこそ!!にゃんにゃん荘へ!!】

2/11
前へ
/24ページ
次へ
どこか懐かしい香りがするこの寝子猫町に俺、 羽衣浩二(はごろも こうじ)はバスの中で揺られている。 これから俺が入居する「にゃんにゃん荘」に向かっているからだ。 ……それにしてもこの「にゃんにゃん荘」って……本当に住める場所なんだろうな……。 親父が「やばいでござる!!やばいでござる!!」と言いながら勝手にここに決めやがったからな。 全く……高校に通う為にはこの町に住んだ方がいいって……。 そう、俺は一人暮らしをこれからする。 理由は高校への通学が楽な為、実家から行こうとすれば行けるが母さんが「男はいつか旅人になって世界一のマジシャンになるのよ!!」とか言い出して……一人暮らしが決まった。 ドラマの見過ぎだ。 ってかこの「サービス付き」って何なんだ? 一体何をするつもりなんだ?怖い、怖いぞ。 ……おっと、どうやら目的地の近くの場所に着いたみたいだ。 俺はバスから降り…ようとした時、運転手から声をかけられた。 「ご利用ありがとうございましたにゃん♪」 俺は思い切りずっこけた、勢いをつけすぎて降りた先の家の壁に頭をぶつけた。 バスは何事も無かったように走り去った……。 ……俺、思った事がある。 この町……何かおかしい!! なぜか知らんが辺り一面 「猫の看板」 ばかりある、そうあの猫のだ。 そしてさっきのバスの運転手の言動……見た目が腐りきってるジジィが「にゃん♪」って言ったんだぞ?無茶苦茶だ。 ……何か嫌な予感がする……。 だがここで立ち止まっていても仕方がない、取り敢えず「にゃんにゃん荘」へ行ってみよう。 俺はさっきずっこけた衝撃でバラまいた荷物を集め、にゃんにゃん荘へと向かった。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加