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どこか懐かしい香りがするこの寝子猫町に俺、
羽衣浩二(はごろも こうじ)はバスの中で揺られている。
これから俺が入居する「にゃんにゃん荘」に向かっているからだ。
……それにしてもこの「にゃんにゃん荘」って……本当に住める場所なんだろうな……。
親父が「やばいでござる!!やばいでござる!!」と言いながら勝手にここに決めやがったからな。
全く……高校に通う為にはこの町に住んだ方がいいって……。
そう、俺は一人暮らしをこれからする。
理由は高校への通学が楽な為、実家から行こうとすれば行けるが母さんが「男はいつか旅人になって世界一のマジシャンになるのよ!!」とか言い出して……一人暮らしが決まった。
ドラマの見過ぎだ。
ってかこの「サービス付き」って何なんだ?
一体何をするつもりなんだ?怖い、怖いぞ。
……おっと、どうやら目的地の近くの場所に着いたみたいだ。
俺はバスから降り…ようとした時、運転手から声をかけられた。
「ご利用ありがとうございましたにゃん♪」
俺は思い切りずっこけた、勢いをつけすぎて降りた先の家の壁に頭をぶつけた。
バスは何事も無かったように走り去った……。
……俺、思った事がある。
この町……何かおかしい!!
なぜか知らんが辺り一面
「猫の看板」
ばかりある、そうあの猫のだ。
そしてさっきのバスの運転手の言動……見た目が腐りきってるジジィが「にゃん♪」って言ったんだぞ?無茶苦茶だ。
……何か嫌な予感がする……。
だがここで立ち止まっていても仕方がない、取り敢えず「にゃんにゃん荘」へ行ってみよう。
俺はさっきずっこけた衝撃でバラまいた荷物を集め、にゃんにゃん荘へと向かった。
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