序章
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「これが《秘宝》ねえ……」 暗い闇の中、ほのかな光に照らされた男は、てのひらに簡単に収まる透明の球体を眺めた。 ほのかな光を発しているのはこの球体であり、明かりの魔法を使わずとも辺りはそこそこ明るい。 男は、にいっと唇の端を吊り上げた。 「これに、文献で見たような力があるのかどうか……何かで試さなければな」 闇の中に、男の不気味な笑みが浮かんだ。
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