第一章

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「誰か、助けてくれー!」  レイストン魔法学校の中庭で、ウォルトは叫んだ。  なぜ助けて、なのか。  一言でいうならば、道に迷ったからだ。  今の時間は授業中だが、ウォルトはもう今日の授業はないので特に問題はない。  いや、正確にいえばある。  このまま寮に帰れなければ、夕飯に間に合わない。  それどころか、このまま野垂れ死ぬこともあり得る。  だからこその『助けてくれ』。  助けは現われない。  当然といえば当然。  ウォルトは途方に暮れた。
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