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「いたたっ…何だろう」
ヒューバートは足元を見ると花畑に誰かが倒れていて一気に顔の血が引いた。
「だっ!大丈夫ですか!?」
慌てて駆け寄り顔を覗き込むとヒューバートは何か懐かしい感覚に囚われる。
「…兄…さん?」
眠っているから瞳の色はわからないが赤みがかった茶色い髪、整った顔立ちをしている青年
見たことの無い服装をしていてヒューバートは一瞬戸惑ったが兄と呼んだ青年を揺さぶり起こした
「兄…さん…兄さんっ!」
「ぅ…ん」
青年はゆっくりと瞼を開くと綺麗な空色の瞳が現れ何事も無かったように体を起こした
「ここは…?」
「ラントの裏山だよ兄さん!やっとっ…やっと会えた!」
ヒューバートは大きな瞳に涙を浮かべ青年に抱き付くが抱きつかれた張本人の青年は首を傾げてヒューバートを見つめる
「…誰?」
呟かれた残酷な言葉に溢れ出ていた涙は止まり今度は違う意味の涙が溢れ出した。
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