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任務を終え、気付いた時には俺はパニールにキッチンを借り、お菓子作りに没頭していた
あの味をどうにか再現したくて色々試してみるが何かが足りない…
あの甘くて痺れる様な味をもう一度味わいたい
そんな時にオレンジの髪を揺らしてカイがキッチンに入ってきた
「ユーリ!お菓子いっぱい作ってるんだって?一個頂戴!」
「駄ー目だ。どれも未完成だから人様に食べさせれるもんじゃねーよ」
カイはつまらなそうに頬を膨らませ、未完成のケーキを羨ましそうに見つめて涎を流す始末
「クリームだけでも…」
「駄ー目ーだ」
「ぅー…駄目!食べたい!」
ついに限界を超えたのかカイは生クリームが入ったボウルを俺から奪い取り喰う気満々の目で見るもんだから食べられる前に奪い返すものの諦めが悪いカイはまた奪おうと飛びかかってきた
「クリームー!」
「ちょっ!?おま、んなに飛びついたら!」
案の定クリームを持ったまま俺たちは騒音を立てて床に倒れた
ガラガラとボウルが転がり床に打ち付けられ背中が痛くて上にのし掛かるカイが重い
それと同時に広がる甘いあの味に俺は目を見開いた。
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