過去と今…

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あの日…彼はこう言った… 「戦い終わったらまた会いに行くからな!」 そう…彼は、 『会いに行く』 と言ったのだ… 俺は、彼の言葉になんの疑いもなしに、こうかえした 『うん!まってる!!まってるよ!!お菓子いっぱい作ってまってるね!!!』手をふりながら、俺はそう言った。 「ふふっ…懐かしいなぁ…あの時は…幸せだったなぁ…」 「……。そうか…」 「あ!もちろん、今も幸せだよ?すっごく幸せ…だけど…」 俺の隣りにいるこいつ、イタリアは、昔の話しをしていた。 俺は、イタリアが向けて来る、その、どこか悲しげな目線を無視して、イタリアの話しを聞いていた。 「……。」 「どうした?イタリア…」 すると、少し遅れて、 「ううん…なんでも…ないよ…。ドイツ…。」 と…返ってきた。 「……。そうか…」 そうかえすと、イタリアは、でね…?、と、話しを続けた。 「それでね…彼はね…帰って来なかったんだ…」 そう…彼は帰って来なかった…。 俺のところには…帰って来なかった…。 だって…彼は死んじゃったんだもん… その事実を知ったのは、昔、フランス兄ちゃんに、『神聖ローマは…もういないんだ…お前も、ろくなことされなかっただろ?あいつのことは…もう忘れろ。』 そう言われた… フランス兄ちゃんは、すぐにその場を離れてしまった。 俺は…その場に泣き崩れた。 「うわぁぁぁぁ!!」 泣いた、泣いた、涙がかれるまで…泣き続けた。 彼は…もういない… 俺の大好きな彼は… もう…俺の名前を呼んではくれない… 俺の大好きな彼は… もう……… 「し…神聖ローマぁぁぁ!!」 どうして死んじゃったの? ねぇ…なんで約束守ってくれなかったの? もう1回…もう1回だけでいいから…俺の名前を呼んでよ…神聖ローマ…もう1回だけ…笑顔を見せてよ…神聖ローマ… 「うわぁぁ!し…神聖ローマぁぁ!」 ―――― 「これが…俺の過去の話し…」 「そう…か…」 俺はどう声をかけていいか…分からなくなった。 こいつには…こんな過去があったのか…と… そう思うと、どう話しかけていいか、わからなかった。 「ねぇドイツ…」 「なんだ?」 「俺…やっぱり幸せだよ…」 「…。そうか…それはよかったな…」
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