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あれはまだ前の仕事をしていた時だった。
「あのー、木村さん。」
「はいはい?」
話かけてきたのは同い年の女子、なかなかの美人。
「このレポートって木村さんが書いたんですよね?」
「えーと……そうだね、なんで?」
「間違いまくってますよ。」
「えー、どこどこー?」
「どこって言うか、ほぼ全部です。」
「マジでかwwwやっちゃったぜ☆」
「やっちゃったぜじゃないですよ、期限明日ですよ。」
「やっちゃったぜ☆」
「だからやっちゃったぜじゃ……」
「なんだよ木村ぁー! またミスったのかよー!」
このウザい男も同い年だが俺より少し早く入社したためかなり上から目線だ。
「そんなレポートでミスる奴なんてほっといてさ、今日飲み行こうよー。」
「私も仕事があるので、失礼します。」
女の人は行ってしまった。
「……チッ、お堅くとまりやがって。」
言動からわかるように、この男は性格が悪い。
会社内でも指折りのプレイボーイでイエスマン、噂では社内の女性社員の3分の1はあいつの毒牙にかかっているらしい。
「じゃあなー、ちゃんとレポートやっとけよー。」
「………」
ちなみに、このレポートはあいつが上司から頼まれ、それを俺に押し付けた物だ。
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