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「これには深い訳が……」
「言い訳は聞きません! 洋司さんの事が少し嫌いになりました!」
「ぬぅ……ごめんよぅ……」
ここまで怒るとは……予想外デス……
「……なんて、冗談ですよ! 事情は紗織さんから聞いてます。」
「ふぇっ?」
「お母さんに引っ張り回されたんでしょう? 今回は洋司さんに非がないという事で♪」
「つ、椿ちゃーん……!」
ガバッ!
感激のあまり抱き付く俺。
「ちょ、洋司さん! こんな所で!」
「もう椿ちゃん大好き過ぎるわー……!」
「洋司さん……」
ガー
いきなり後ろの自動ドアが開いた。
「椿さーん、お忘れ物……です……」
椿ちゃんの財布らしき物を持った女性が出てきた。
抱き合ったまま固まる俺と椿ちゃん。
「………」
「………」
「えーと……とりあえずこれを……」
「ありがとうございます……」
「では……ごゆっくりどうぞー……」
ガー
女性はドアの向こうへ戻って行った。
「……帰ろうか椿ちゃん。」
「そうですね……」
あのいけない現場を見てしまったと言うようなような顔……昼ドラじゃあるまいし……
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