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「でもいいんですか?」
「なにがかな?」
「いや、トミーになんて説明するのか気になって。」
「トミー? 富谷の事か?」
あぁ、旦那様にトミーはダメだったかな……
「安心しなさい、彼らは私が黙らせよう。」
「大丈夫なんですか? 痺れ切らして旦那様に直接連絡してきたって聞きましたけど。」
「問題ない、彼らは自分達が優位に立っていると思っているようだが実際はこちらが上だ。」
「……?」
「物資の調達然り、資金の投資然り、彼らはこちらの注文に従っているに過ぎない。つまり彼らに交渉の余地はないと言うことだ。」
「へぇ~……」
「いずれにせよ君は心配しなくてもいい。」
「はい……」
「うむ、そろそろ出発しなくては。」
「お父さん……」
「椿、彼を信じて共に歩みなさい。」
「はい……!」
「それではまたいずれ。」
「はい、お気をつけて。」
カツ カツ カツ……
旦那様はタラップを上がって行く。飛行機の入り口には葵さんが待っている。
「あなた……」
「お前の言う通り、本当に良い青年に巡りあったな。」
「そうでしょう、彼と椿ちゃんなら大丈夫よー。」
「あぁ……」
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