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【プロローグ】
『…はぁ…はぁ……くっ。』
サスケはよろけて、近くにあった像の陰に身を隠した。腕や足からは血が滴っている。
男が走ってきて立ち止まる。
『…はぁはぁ…った!?』
波久礼(はぐれ)が息を切らしながら言う。
すぐ別の方から羚紅(れいく)が、これも同じく息を切らして止まる。
『…っはぁ…そっちにいた!?』
『…いや、いない!くそっ!!…よりによって俺たちが見張ってる時に逃げ出すなんて!!どこに行きやがった!?』
怒りの表れか地面から水蒸気が立ち込める。
『こんなところで烈してもしょうがないわ!もう一度探すわよ!!あなたはあっちを探して!!私はこの先の方を行くから!』
『わかった!!急がねぇと…閻絶に知れたら俺らがヤベェ!!』
そう言うと二人は走り出した。
しばらく沈黙が続き。
『…っふぅ。なんとか巻いたみたいだ…。はぁ。まさかこんなに早くバレるとは…。人形おいて来たのになぁ。オイラもまだまだなんね。さて、とりあえず見つかる前にさっさと出ないと!』
呟くとサスケは片腕を押さえ息を殺しながら、精一杯の早さで城の外へなんとか抜け出した。
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