【遭遇】~2話
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【遭遇】~2話

『ん~…はぁ~!やっぱここは落ち着くなぁ!』 背伸びをすると生斗は弁当を広げ始めた。今は昼休み時間で、ここは校舎の屋上。 この時間、生斗はいつもここで弁当を食べている。 『もぐもぐ…うん、美味い!やっぱ、さすが夢美の母ちゃんだな!』 『本当?』 『っぶほ!?』 生斗はもう少しで吹き出しそうになり、慌てお茶を飲む。 『何よ?そんなに驚くことないじゃない!』 夢美はぷくっとふてくされる。 『…ぷはぁ。びっくりしたぁ…。ったく!いきなり話しかけてきやがって!』 『いつも一緒に食べてるじゃない。』 『そうだけどさ!いきなり真後ろで声がしたら誰だって驚くっての!その気配消して話しかける癖どうにかしろよ!』 『そんな癖持ってないわよ!いいからちょっとどいて?私そっちに座るから。』 生斗は溜め息をついてはしごの側から離れる。 屋上に出る扉の隣りに、更に上に登れるはしごがある。そのはしごを登った場所が、生斗のお気に入りだった。 『ところでさっき言ったこと本当?』 夢美が嬉しそうに話しかける。 『ん~?何がだよ?』 生斗は口いっぱいに食べている。 『弁当が美味しいって言ったじゃない?』 『あ、うん!美味いよ!さすが夢美の母ちゃんが作ったやつだな!でも、今日はいつもと少し味が違うような…。』 『えへへ。それ、私が作ったのよ?』 『…ゲホッゲホッ!!』 お茶を飲んでいた生斗はむせてしまった。 『何よ?そんなに嬉しい?』 生斗の背中を擦りながら、夢美は笑っている。 『…これ、お前が作ったのか?』 『そうよ?』 『冗談だろ?小学ん時、お前の作ったの食べたけど…こんなに美味くなかったぞ?』 『ヒドイ!そりゃ、確かにあのころのはちょっと美味しくなかったけど…』 《ちょっとって…》 生斗は小学生のころを思い出した。
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