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「…ごめん、遥斗…
別れてくれないかな」
幾度となく
聞き慣れたフレーズ。
もしかして…
そう思った頃には、呼び出された喫茶店の一角で、彼女の口から予想通りの言葉が響いた。
「…私、好きな人ができたの」
―…ああ、やっぱり。
彼女もまた、過去に付き合った子たちと同じ台詞を口にした。
彼女へと視線を送ると、そこにあるのは真剣な眼差しで俺を見つめる二つの瞳。
…そんな目で見られては、返す言葉なんてひとつしかない。
そして俺もまた、いつもと同じ台詞を口にして関係を終わらせるのだった。
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