オオカミ と こぶた

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あるところにオオカミがいました。 オオカミは狩りをするために森へ出かけました。 オオカミが森を歩いていると、見るからにノロそうな丸々と太ったこぶたが呑気に歩いていました。 オオカミはそのこぶたに狙いを定めゆっくりと近づいてゆきました。 ゆっくり歩み寄り大きな口を開け、かぶりつきそうになった時、こぶたはオオカミの存在に気付きました。 ノロマなこぶたは一生懸命に走りました。オオカミはそれを追いかけます。 どんなにこぶたが逃げてもオオカミは追いかけました。 しかし、狩りの天才と呼ばれたそのオオカミはなぜだかこぶたを捕らえずただ追いかけているのです。 やがて、こぶたは疲れきり、とうとう走る事ができなくなりました。 こぶたは後ろを振り返り潤んだ目でオオカミの事を見つめていました。 オオカミはそれをただ見つめ返していました。
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