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客人を送り終えた彼は、とても上機嫌そうに、鼻歌交じりに廊下を歩く
そんな彼の中に存在するもう一人の彼、それが暗闇の中静かに言葉を発した
「……酷い事をする」
「何の事かな?」
「あれだけ露骨にいろいろ試しておいて、よく言えたものだ」
「でもいろいろ試していろいろわかったよ? お嬢さんは分かり易く、騙し易く、支配し易い」
「彼女は鍵なのだ。それもとても重要な。それをわざわざ怖がらせては、いらぬ手間が増えるであろう?」
「甘いなぁ。鍵だからこそ支配しておくべきなんだよ」
「……相変わらず君とは意見が食い違う」
「まあね、そうじゃないと面白くないし」
「フフ、それには同感だ」
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