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その事件は8月、日中35度を超えるかどうかという、
酷暑の真夏日に起きた。
空は快晴の青空だった。
20××・8・10
本日午後1時過ぎ、
P市の聖慈愛病院小児科病棟に勤める看護士5人が、
同病院に入院中の子供3人を人質に、
病室に立てこもるという事件が起きた。
看護士らは、
警察が踏み込んだら子供を1人ずつ殺していくという、
声明を発表し、現在も籠城を続けている。
主犯格と見られる看護士は、
日頃医師たちからの信頼も厚く、
勤務態度も真面目で今まで問題を起こしたこともないという。
今回看護士たちが何故このような犯行に及んだのか、
その目的は一切不明。
気温は上昇する一方だった。
病院の周りには、何百人という警察と取材陣によって、
取り囲まれた。
20××・8・11
看護士5人が3人の子供を人質に籠城を続ける事件で、
人質にされた3人の患者に、
ある共通点があることが発表された。
担当医師によれば、
3人はそれぞれ今年2月頃入院してきた患者で、
3人ともに共通の原因不明の背中の痛みを訴えており、
レントゲンで見ると肩胛骨(けんこうこつ)の部分に変形が見られるという。
左右の肩胛骨がそれぞれ突出してきている。
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