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そんな話をしながら渡部の方を眺めていると…
まさか。
渡部の隣の席で一時限目の用意をしている男…
何て事、『あいつ』ではないか。
何でこんな所に…
「香…あれ誰?
あんなのいた?」
「ん?誰?
…やだ、何言ってんのよ。
クリス君の事よね?
クリス・バレンタイン君。
一年の時から一緒だったよ?
ほんと、興味無いにも程があるって、麻美子!
大丈夫!?」
まさかクラスメートだったとは…
しかも三年間同じクラスだったとは…
そりゃ心配もされるわ。
我ながら、あまりの興味無さ…というかボケっぷりに驚愕する。
しかし奴も奴だ。
何かそれらしい事でも言ってくれれば良かったものを…
「あれ?どうしたの麻美子~?男の子気にするなんて…もしかしてもしかして?」
冗談はよしこさん。
我が敬愛なる、香がサモア人と勘違いしているあの方も確かに国産ではないが、ナメないでもらいたい。
とは言え、奴…バレンタイン?の素性など知る由も無い。
もっとも、知りたいとも思わないが。
そうこうするうちに一時限目のチャイムが人知れず鳴り響いていた。
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