屋上で

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三歳くらいの時に、親の都合で米国から来日。 で、今に至る。 要約するとこんな所だろう。 他にも何か色々言っていたようだが、聞き取りにくければ別に興味も無い。 強いて興味を挙げるとするならば、こいつの喋り。 何故か流暢に話す事もあるが、基本的にカタコトで分かりにくい。 一体こいつの出身はどこなのか。 もし日本でなければ、日本歴は如何程なのか。三年間同じクラスだったらしいから、最低でもそれくらいはいる訳だが。 その答えが先程の件だ。 というか、三歳から日本にいてそうなのか? まあ親御さんはバリバリ英語だろうから何とも言えん所はあるが… しかし、一体いつまで喋る気だ。 お前の自己PRはもういいから早く飯を食わせてくれ。 ロールケーキだけどさ。 どうやら区切りがついたようだ。 喋り疲れたのか、また息を切らせている。 お疲れさん。 じゃ。 と屋上を後にしようとした私を引き留めるかのようにバレンタインは再び声を上げた。 「ア、待ッテ! 君ニ渡シタイ物ガアルネ。」 そう言うと、バレンタインは慌ててズボンのポケットを漁り出す。 そして出てきた手には、何かが握られているようだ。 「ハイ、コレ…君ニ受ケ取ッテ欲シイネ。」 …一体何だと言うのだろう。 何か嫌な胸騒ぎがするが、願わくば杞憂であってくれ。  
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