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今日も蝉が鳴いている。
朝から晩までやいのやいのとよくもまあ頑張る。
おかげで余計に不快指数も跳ね上がろうというものだが、彼らも懸命に生涯を全うしているだけであって、当然ながら罪は無い。
蝉か…
そう言えば、蝉が死ぬ時にはセミファイナルとか言ったりするのだろうか。
でもこう言うと、何だか次がメインイベントみたいだな。
スポットライトが集まるリング上、人類最強の呼び声高い国籍不明の謎のロシア人と、予選からの激闘を勝ち抜いてここまで辿り着いた蝉。
優勝という名の栄光を懸けてぶつかり合う両雄。
互いに死力を尽くし殴り合うその果てに、我々が見たものとは…
うーん、熱い。
なかなか熱いよ。
むしろ暑苦しいくらいだね。
でも、180cmくらいの蝉を想像すると…逆に寒気がするかも知れない。
て言うか、多分普通に気持ち悪い。
何だか何を考えているのかよく分からないが、それだけ暑い季節だという事を察して頂けると有り難い。
そんな夏休み前の予告猛暑日。
朝からご機嫌な暑さに茹でられながら登校していた私。
こんなにボーっとしてると何かを落としても気が付かないのはよくある話で…
「あの、携帯落としましたよ?」
不意に声を掛けられて、私はふと我に返った。
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