屋上で

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更に苛ついてきたのだが、奴は続ける。 「アノネ?私ネ?実ハネ?異世界カラ来タノネ?」 気のせいか、こいつの喋り方がどんどんムカついてくる。 というか、お前さっき米国から来た、って言ってただろうが。 まあ異文化…と言う意味では異世界と言えなくも無いが… 「私、悪ノ組織追ッテココ来タ。 デモ私ダケ、コレ無理。 戦ウノニ『力』持ツ仲間要ル。私見ツケタ。ソレアナタ。」 何て言うか… どんどん雲行きが怪しくなってきた。 一体こいつは何を言ってるのか…はっきり言って気持ち悪い。 真っ当な日本語に変換しても、かなり痛い内容だ。 もはや女の子を口説く口実とも考えにくいし、考えたくもない。 こんな口説き方はあってはならないのだ。 全身から血の気が引いていくのが分かる。 一体これは何の罰ゲームだろう。 こんな目に遭う程、私が何をしたと言うのか。 向こうから聞こえる楽しげなバレーボールの声が妙に恨めしい。 まだそっちの方が良い。何とか助けて欲しいが、そこは能天気なうちのクラスの人間。 当然こっちに気付く筈も無く、この針のむしろはまだまだ終わりそうに無い。 逃げれば良い? 馬鹿言ってはいけない。 この手の人間が一番やばい。 もはや逃げるに逃げれぬ段階にまで差し掛かってしまったのだ。 さて、どうしたものか…  
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