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知らんよ。
奴が飛んだ後、バキバキガサガサと音がしていた事から途中で木か何かに突っ込んでいたのだろう。
そのおかげか屋上から飛んだにもかかわらず、奇跡的に命に別状は無かったそうだ。
その強運には敬服したが、やはり奴はスーパーマンなどではない。
全身打撲や随所の骨折などで全治六ヶ月だとかどうとか。
結局奴はその後学校に来れないまま、高校生活を終える運びとなった。
その後の奴の進路も、別に私の知った事ではない。
何度か開かれた同窓会にも奴だけが一回も姿を現さなかった事から、消息さえも分からない可能性もある。
まあ、あの時強いて良かった事があるとすれば、香もバレーボールの一団すらも私があの時屋上にいた事を知らなかったという事か。
おかげであらぬ嫌疑をかけられずに済んだ事は不幸中の幸いだった。
ただ、結局奴の目的が何だったのか分からなかったのは何となく後味が悪いが、元々興味無かった人間。
別にどうという事は無い。
だから言ったでしょ。
知らんって。
アルバムの全体写真。
その右上に丸く浮かんだ奴の写真。
それを見て思い出しただけ。
あれだけインパクトある出来事だったのに忘れているのだから、余程興味が無かったのだろう。
ちなみに、奴から返してもらった麻雀牌のストラップは、早々にどこかに捨ててしまった。
だって気持ち悪いではないか。
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