あいつ

2/8
24人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
間に合った。 いつもの事だがギリギリセーフ。 こんな暑いのに学校とか…みんなよくやるね。 とか言いながら、密かに続ける皆勤賞。 親はおろか、先生でさえも言う。 それがお前の強みだろ。 せめてそれくらいは頑張りなさい。 何だか遠回しに戦力外を通達されてる気分だが、逆に言えば、勉強面などは当てにされていない分気楽なものだ。 だからまあ…これくらいはね? そんな訳で、教室入ればミッション完了。 あとはのほほーん。 校門を突破、敷地内へと突入する。 そこでふと気が付いた。 さっきの男、何か見た事ある格好だと思ったら…うちの学校の制服じゃん。 いや、他の登校する男子生徒を見て思い出したんだけどね。 そりゃ男子の夏服なんてどこも似たようなモンで、パッと見よく分かりゃしないよ。 それに日頃からいちいちチェックなんかする訳が無い。 普通気付かんよ。 ただ、何故かうちの男子の夏服ってタンクトップなんだよね。しかも緑の。 何でも校長先生の趣味らしいんだけど、それ以上はあまり詮索はしたくない。 そんな割と特徴のある制服だから、すぐ気付けよって話なんだけど…まあ仕方ない。 でも、あんな外国人うちの学校にいたっけ。 もっとも、全校生徒を把握してる人間なんて、それこそいないだろうけど。  
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!