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さて、そんな先生の自己満足ショーが続く中、遂にその時が来る。
「それはそうとなあ、みんな!今日は驚きのお知らせがある!
何だと思う~?」
いちいち鬱陶しい。
ただでさえくどいのだ。
熱血気取るなら、その辺もスパッとやってくれ。
何を勿体ぶっているのか分からないが、どうせ『あの事』だろう。
しかし、そう決め付けるのも早計。
まあ一応聞かせてもらおうか。
「何と…このクラスに転校生がやってくる事になった!」
…
何だ、結局それか。
まあ当然の流れだし、サプライズ的な発表も別に悪くは無い。
ただ、出どころは不明だが既に皆知っている情報だ。
何となくイラっともするが、考えれば哀れなピエロとも言える。
とりあえずここは不問に付す。
他の皆は、やっとその件に話が及んだ事にテンションが上がっている。
その微妙な違いに気付く筈も無い先生は、したり顔で事を運ぶ。
「高三のこの時期に?と思うだろうが、親御さんのお仕事の都合でこうなった。
短い間だが、是非みんな仲良くしてやって欲しい!」
いやいや、普通それは転校生を迎え入れから言う事だろう。
いつまで外に待たせるつもりだ。
さっさと教室入れてやれって。何を伏線めいた事を…
…伏線?
私は何故か胸騒ぎを覚えた。
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