淡恋

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桜が咲いている。 今年もまたあの季節がやって来た。 大学への通学路、俺はまた桜並木を見上げていた。 あぁ、去年はあの木の下で灰二を見つけたんだった。 まさに一目惚れ。 あの時抱いた淡い恋心は、桜の芽の様に小さな蕾をつけて見事に花を咲かせた。 ふと、恭平の目に一人の姿が留まった。 満開の桜の下で佇むー愛しき人。 「恭ちゃん!」 俺を見つけては笑顔で手を振る。 一年前はまさかこんな関係になれるとは夢にも思わなかったよ。 _
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