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その女の存在を始めに気が付いたのは父である。父は酒が大好きで今でも酔ってはこの事を話す。3センチの女。転勤、出張、残業、とは言ってはいるがたぶん飲み歩いていたのだろう。その日も父は夜中に帰ってきたという。寝室にそーっと入ろうとした時である。母の枕元に3センチくらいの何かがフラフラ揺れていたらしいのだ。父が近くに寄ると、その3センチくらいの何かはタンスとタンスの間の3センチの隙間に消えたらしいのである。父はその後を追いかけようとした瞬間。母の顔面をモロに踏んづけたらしく、3センチくらいの棒でぶん殴られたらしい。3センチくらいの傷が頭にあるのに気が付いたのは朝だった。
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