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風呂を出ると、歌勇はまだ書いている
「歌勇ー!!お絵かきはおしまい!!もう、寝なきゃダメでしょ!!!」
「やだなー、もう少しやりたいよ」
珍しく反発する歌勇
反抗期?と思っていたら昼間のことを思い出した
「な―んだか、マーくんみたいね。その我が儘っぷりは」
「…………マー……くん?」
ピクリと動きを止めた
「…………誰?」
「ん?ママの保育園の園児よ。歌勇より2コ下の子」
「ママ………保育園で働いてたの?」
「あら、言ってなかったっけ?ママはね、歌勇より小さい子の面倒見るお仕事をしているのよ」
「知らなかった……」
妙に静まりかえってるな
そだ!!歌勇にマーくんのこと教えてあげよ!!
「歌勇、あのね!!ママの保育園でね、マーくんっ子が」
「寝よ!!ママ」
突然、大きな声で言った
「え……あ…うん」
せっかく、マーくんの話しようと思ったのにな
そんなことはお構いなしに布団に潜り込む歌勇
歌勇はたまに変になる
この前、近所の子と話していると睨んだ顔をしていた
道を聞かれただけなのに
あの時の歌勇はなんだか怖かった気がする
ま…難しい年頃なのね
きっと
私はそんなことを考えながら眠りについた
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