目が覚めると、そこは俺の知らない世界でした。

4/8
前へ
/66ページ
次へ
「ああ、君はちょっとした間違いで彼女に刺されてね、少しばかり死にかけたんだよ」  おねーさんの声が晩ごはんのおかずについてでも話すような気楽な感じでさらっととんでもない事を言いだした。  そーいや確かにもう一人の声、さっきの『覚悟』ってのと同じじゃねーか!  流石の俺もカチンときたので思わず飛び起きながら怒鳴りかけた。 「まぼっ!」  が、おねーさんの説明通り俺の脇腹は少しばかり風通しが良くなってるわけで。  そんな状態でそんなこと出来る筈ないわけで。 「大丈夫かい?無理すると傷が開くよ?」 「ま……間違いで刺されて死にかけるとかふざけないでください……あとそういう事も早く……」  結局怒鳴りかけたところであまりの痛さに変な声を出してうずくまり、小声で愚痴るだけになってしまった。
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加