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「怪我は対した事はありませんが…随分精神的なショックが大きいようです。念の為、今日は入院するよう言っていますので。」
「そうですか…。ありがとうございます。」
邦英は担当医に頭を下げ、待合室のソファに深々と座り込んだ。
薫から連絡を受け、慌てて駆け付けたのだ。
玲がひったくりにあい、怪我をしたから病院にいると…。
事情はあらかた聞いていたが、あの玲がまったく話せなくなり、ずっと顔を合わせようとしない。
「邦英さん……。」
自分はどうするべきか考え込んでいると、玲に付き添っていた薫が戻ってきた。
その表情から、玲の状態が思わしくない事が感じ取れる。
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